だいぶ前になりますが、以前から気になっていた立川駅の近くにあるちゃんぽん屋に行きました。
昼時なので少し並んだ後に、券売機でチケットを買おうと1万円を取り出しました。
しかし、券売機が1万円に対応しておらず、やむを得ず、忙しそうにされていた店員さんに両替をお願いしました。
店員さんが1000円札に崩したものを受け取ったところ、10枚全てが新札でした。
新札のあの香り、私は大好きです。
気を良くした私は、定番のちゃんぽんの食券を購入し、料理が出てくるまでうきうきと待ったのです。
厨房を見ると、店主がてきぱきと料理をしています。期待は高まります。
出てきたちゃんぽんは丁寧な作りで、非常においしくいただきました。私は、汗だくになりながら、スープを全て飲み干し、完食してお店を後にしました。
その店にはその後も何度か伺ったのですが、最近は忙しさもあり伺っていません。
今となっては、ちゃんぽん自体の味は覚えていないのですが、新札効果もあり、お店全体が「ちゃんとしている」印象は非常に残っています。
私が尊敬する税理士さんは、「皿の上での勝負はしない」というアドバイスをされます。まさにこのことなのかもしれません。お店や会社の第一印象で、提供する商品の印象も大きく変わるのです。両替金を新札にするというちょっとした気遣いができる方は、本来業務でも細部にもこだわる習慣が身についているのでしょう。
かたや同じ飲食店でも、例えばラーメン店でテーブルがべとべとしている店があるとします。お客様が不潔な印象を抱いてしまったら、いかにうまいラーメンを提供されても、満足度は半減してしまいます。皿の外の勝負で既に負けているのです。
友人のドラッカーコンサルタントは、常々、自社を顧客目線から見ることの重要性を述べています。
お客様から見て、当たり前のことを当たり前にできれば、失点はありません。
「当たり前のことを当たり前に」+「α」が継続できれば、繁盛店になるのではないでしょうか。
このような学びから私の事務所でもお釣りは新札でご提供するようにしています。
皆様の会社でも取り入れてはいかがでしょうか。
両替の手間は意外にかかりますが、自社が新札をお客様にお渡しする意味をお伝えすれば、会社内部の意識も少しずつ変わると信じています。